緑の野原で、陽が暮れるまで虫を追いかけた。水しぶきを受けながら必死で波に向かおうとした。この道はどこに続くのだろう?冒険心を燃やしながら歩き続けた。煙に涙を流しながら、頑張って焚き火でご飯を炊き上げた。途中で小さい子が泣くのを、一生懸命励ました。時間も疲れも忘れて、夢中になって遊んだ。
子どもの頃のこうした体験は、年を重ねている世代なら、誰しも懐かしく思うものではないでしょうか。子ども時代は、自然の中で汗を流し、涙を拭い、冒険心に満ちた挑戦をし、仲間と共に笑い合ったものです。その体験が、忍耐力や感性を大きくし、知恵や社会性を身につけ、憧れや夢、自信を生み出していくのです。

今の子ども達は、そうした体験をどれほどしているのでしょうか。自然体験の重要性が叫ばれるようになったのは、最近のことではありません。学校や家庭でも自然体験は行われています。しかし、道具がないと遊べない、頑張りぬく力がない、自分に自信がない、友だちとうまく付き合えない、こうした子ども達の傾向は、依然として拡大してきているのが現状です。
そこに足りないのは、やはり表面的な擬似ではない「本物の体験」なのではないでしょうか。前の世代なら知っていた、本気になって自然や友とぶつかり合い、夢中になって体と感性を働かせる経験です。
私達の自然教室では、そうした子ども達の「本気」を引き出す体験を、自然の中での遊びや生活プログラムを通して、今の子ども達、そして父母の方々に伝えていきたいと考えています。子ども達が、自然の中で逞しく成長できる機会を再び創り出したいのです。何より、自然には、すべての束縛を解き放つ包容力があります。学校でのストレス、年齢や他者を気にするプレッシャー、自分への自信のなささえ、「そんなこと、今はどうでもいいよ」と、忘れさせてくれるのです。
誰もが、自然の中で笑顔になれるのは、この不思議な力が働いているからなのかもしれません。
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